無農薬レモンへの挑戦

「京都れもん」は京都と奈良の中間にあり、歴史の息吹に靄がかすむ南山城の飯岡(いのおか)で作られている、京都初の無農薬レモンです。

京都は懐石料理の歴史とともに、賀茂茄子や九条ネギ、聖護院大根、水尾の柚など個性ある野菜や果実が多く、盆地という地形や豊富な地下水など自然環境がその成長を助けてきました。

南山城・飯岡(いのおか)地区は元古墳であり、日当りのよい斜面が多い丘陵地帯という環境を活かし、古くからお茶の栽培地であり「玉露」などを作ってきました。しかし、お茶は茶摘みや栽培のために多くの人手がいることや海外産の安価な輸入品なども多く近年は栽培が難しくなり、お茶農家が減少して荒廃地が増えています。

そこで、環境的には野菜や果物の育成に適している地域だからこそ、京都の名産となるような果物を新しく作りたいと、夫婦二人ではじめたのが「京都れもん」です。昔は気候的な問題もありましたが、近年の気候変化をこまめにチェックし、またレモン先進地である瀬戸田などを参考に、苗木の選定や適した土壌などの研究を重ね108本の苗木をひとつひとつ手で植えてスタートをしました。

しかし、思っていた以上に無農薬で育てる難しさや最低気温が下がると育ちにくくなる性質対策などもあり、土壌の改良をすること3年。そのなかで、様々な対策を試行錯誤しながらおこないました。冬には寒さ対策として天然のワラを土に敷き詰めて暖め、雑草対策には「ナギナタガヤ」という雑草が生えにくくなる植物を栽培して農薬を使わずに対応。どちらも土壌の養分育成にもつながる天然で体や植物に害がないのが特徴です。

このように、当初の思いが形になり、実現するまでに時間はかかりましたが、その分、身体に優しく、植物にも優しい、香り高くみずみずしい「京都れもん」が出来上がりました。

ぜひ、多くの人に食べてもらいたいと思います。
京都れもんができるまでの道のり
京都れもんにつて